こんにちは、久家です。

あなたは朝目が覚めて

スッキリしていますか?

前日の疲れは取れていますか?

 

当院にご来院される患者さんたちは様々な症状を抱えています。

肩こり、腰痛、頭痛、猫背、膝痛、冷え、むくみ…

これらが慢性的になってしまう原因の一つに

疲労

があります。

 

ほとんどの方が疲労を抱えています。

誰でも日々何かしらの活動をしているので、

疲労するのは当たり前ですが、

睡眠をとっていれば、回復するはずです。

それなのに、

 

多くの人が、あまりにも疲れている

 

これはなぜでしょうか?

 

睡眠によって

体が回復できていないということは、

睡眠に問題があるということなのですが、

具体的に何が、

自然な睡眠パターンや熟睡する能力を

私たちから奪っているのでしょうか?

 

まず多くの人に共通しているのが

・TVやスマホのせいで就寝が先延ばしにされる

・学校や職場の始業時間が早い

この2つによって、

睡眠時間は朝と夜の両方から

削られてしまうということです。

 

この2つにプラスして、

・常に(昼夜問わず)電気の光を浴びていること

・カフェイン

・アルコール

・室温が管理されていること

などが、

現代人の眠りに影響を与えている

社会的な要因として考えられます。

 

これらの要素が組み合わさって、

睡眠の量・質共に低下し、

多くの人が疲労を抱えてしまっているわけです。

 

今回はこのような社会的要因が

睡眠に与える影響についてお伝えします。

 

「あなたを眠らせない犯人は誰か?」

これを読んで見つけていただきたいと思います。

現代の明かりのダークサイド

 

トーマス・エジソンによる電気の発明

これによって人類は歴史上初めて、

太陽光に支配される24時間のサイクルから解放されました。

 

ただスイッチを入れるだけで、

自分の周りの明るさをコントロールできるようになったのです。

 

そしてその結果、

覚醒と睡眠のパターンが自然のリズムとは切り離されました。

 

人類の初期のホモ・サピエンスは、

日が沈むとほぼ全ての活動が終わっていました。

暗くてあたりが見えないと身動きが取れないので、

そうするしかなかったからです。

 

やがて人類は火を発明して夜にも活動ができるようになります。

しかし火の明るさにも限度があり、

そこまで大がかりな活動はできないので、

睡眠と覚醒のパターンが乱れるほどではありませんでした。

 

その後ロウソクが登場して、

さらにガスやオイルのランプが発明されると…

人工的な明かりの影響力は大きくなり

夜の活動範囲が広がっていきます。

 

ガス灯の明かりが家の窓からもれ、

夜の街は明かりで満たされるようになった…

そこから人工の光によって、

人間の睡眠パターンが変わり始めます。

 

そして1870年代の半ば、

白熱灯ができ、その数十年後には蛍光灯ができ・・

太古の昔からずっと真っ暗な夜を過ごしてきた人類は、

ついに明るい夜を手に入れるわけです。

 

こうして人類は発展してきたわけですが、

私たちは人工の光の発展によって自然な睡眠リズムを壊されてきた

とも言えます。

人工光に脳がだまされている!

 

明るい夜を手に入れた現代人は、

どうして睡眠と覚醒のパターンが乱れるのでしょうか?

 

エジソン以前、さらには

ガスやオイルの明かりもまだなかった時代は

太陽が沈むと人間の目に見える光は

全て姿を消していました。

 

脳内にある

24時間単位の時計にも

光は届かないため、

脳は昼の光が届かなくなったことで

夜の到来を知ります。

 

すると

脳の松果体という所にかかっていたブレーキがゆるめられ、

メラトニン(睡眠を誘発するホルモン)が分泌され、

それを合図に、脳と体は「今は夜だ」と判断し眠る準備を始めるのです。

 

こういったことが体の中で起こって

人工的な光が存在しなかった世界では、

人類はだいたい日の入りから数時間後に

眠くなるようになっていました。

 

しかし電灯が登場して

この自然な体のリズムは終わります。

 

夜の人工光は、

たとえ弱い光であっても脳内の時計に

「今は昼だ」と信じさせることができてしまうので、

メラトニンのブレーキは日の入りとともに緩まずに、

しっかり踏まれたままになってしまいます。

 

人工光によって、

脳内の時計の進みが止まってしまうのです。

 

その結果、

普通であれば

夜の8時〜10時に

眠気が自然とやってくるはずが、

人工光にだまされて、

脳は就寝時間になっても

まだ昼だと思い込んでいる。

 

夜の11時になっても

脳内の時計はまだ昼だと勘違いしているので

メラトニンの分泌は始まらない。

こうなると、自然な時間に眠ることは不可能です。

 

電気を消して、目を閉じても

眠りはすぐにやってきません。

 

暗くなってからやっと

メラトニンの分泌が始まるので、

自然な眠りが訪れるまでには

しばらく時間が必要、

すぐに眠れる事は期待できません。

 

ちなみに・・

大抵の人が

寝る前に浴びているであろう

リビングの明かりは、

明るさだけで言えば、

太陽光の1〜2%程度ですが、

それでも脳内のメラトニンの生成が

50%抑制されます。

 

いかに人工光が眠りに与える影響が大きいかがお分かりいただけたでしょうか?

 

睡眠の質の低下はスマホが原因!?

これまでお伝えしてきたように

人工光によって

かなりの苦労を強いられてきている

人間の脳ですが、

1997年、さらに追い打ちをかけられます。

 

青色LED(青色発光ダイオード)の登場です。

 

目の中にあって光を感知し、

脳に「今は昼だ」と伝える光受容器は、

青い光の中にある短い波長を最も敏感に感じとります。

そして青色LEDは、

まさにその青い光を最も強く発しているので

夜に青色LEDを浴びると、

白熱灯に比べ、

メラトニン生成への悪影響が

2倍にもなってしまいます。

 

多くの人が

毎日何時間も見つめている

パソコン、スマホ、タブレット

これらの画面からの光は青色LEDです。

 

現在、大人、子供問わず

夜寝る前の時間に

いずれかの電子機器を

定期的に使っているのではないでしょうか?

 

 

そしてこれは

メラトニンの分泌に大きく影響し

その結果寝つきも悪くなります。

 

これら電子機器の影響を調べるための

最近の研究によると

健康な大人を対象として

寝る前の数時間、

・iPadで読書

・紙の本で読書

の2つの条件で読書をさせた結果、

iPadの読書は紙の本の読書に比べメラトニンの分泌が20%以上減る

ということが分かっています。

 

具体的には、

分泌の始まる時間が、

紙の本に比べて最大3時間も遅くなった

とのこと。

 

そしてメラトニン分泌のタイミングだけでなく、

以下のような睡眠の量や質に

悪影響を与えることも分かっています。

 

・iPad組の方が紙の本組より寝つきが悪かった。

・iPad組は寝ても疲れが取れず、昼の間もずっと眠かった

・iPadの使用をやめてもメラトニンの分泌が遅くなる効果はその後も続いた。

 

この結果をふまえて今の世の中を見てみると、

ちょっと恐ろしくなりますよね?

 

大人に関しては自己責任ですが、

心配なのは、子供たちへの影響です。

「見せておけばおとなしいから」という理由で、

小さい子供にスマホやタブレットを見せている親御さんたちが非常に多い。

 

これからの社会、

こういった電子機器の使用をゼロにすることは無理ですが、

睡眠にこれだけの影響を与えるものを

特に小さな子供達にわざわざ見せる必要があるのか?

 

今のその場の状況だけを考えるのではなく、

子供の成長、将来を考えた上で

こういった電子機器とは

うまく付き合っていく必要があるのではないか

と思います。

 

飲酒が記憶力を低下させる

 

睡眠薬と同様に、アルコールが睡眠を助けるというのは大きな誤解です。

 

「寝る前のアルコールで寝つきが良くなる」

さらには

「ぐっすり眠れる」

とまで信じている人はたくさんいます。

しかし、どちらも大きな間違いです。

 

アルコールは鎮静剤に分類されます。

適量であれば、

気分が高揚してより社交的になったりもするので

鎮静剤と聞くと意外に思われるかもしれません。

 

アルコールが鎮静させるのは

脳の前頭前皮質という

衝動を抑える働きがある部分。

 

この部分を麻痺させるため

酔うと気が大きくなり、

言動に抑制が効かなくなるのです。

 

時間がたてば、

脳の他の部分にも鎮静作用が及びます。

 

酔いがまわり、頭がぼんやりしてくるのは

皆さん経験したことがあると思います。

 

意識を保つのが難しくなり、

またその意志もなくなるため

意識を簡単に手放すことができてしまいます。

 

酔っ払って寝てしまうのがこの状態ですが、

これは鎮静であって睡眠ではありません。

 

アルコールは、人から覚醒の状態を奪いますがそれは自然な眠りとは違うのです。

 

アルコールを摂取して眠った人の脳波は、

自然な睡眠の脳波とは異なり、

むしろ軽い麻酔をかけられた状態です。

 

これ以外にもアルコールが睡眠に与える悪影響は2つあります。

1つは、

アルコールは睡眠を断片的にする

ということ。

 

夜中に何度も目が覚めるため、

寝ても疲れが取れない状態になります。

 

「自分は飲んでも朝までぐっすり寝ている」

という人もいると思いますが、

それは夜中に起きたのを覚えていないだけです。

 

もう1つは、

アルコールがレム睡眠を奪う

ということ。

 

レム睡眠については、

ここでは詳しくはお伝えしませんが、

簡単に言えば、

夢を見ている時がレム睡眠です。

 

そして夢を見ている間に脳が記憶を処理している

と言われています。

 

レム睡眠が奪われるとどうなるのか?

 

体内でアルコールが分解されると、

アルデヒドとケトンという化学物質が作られます。

特にアルデヒドがレム睡眠にとって大きな障害になります。

脳波の鼓動を止め、

夢が見られない状態にしてしまうのです。

 

この極端な例がアルコール依存症です。

アルコール依存症の人は酒を飲むと、

眠りの中にレム睡眠がほとんど現れなくなります。

 

夢を見ない期間が長くなると、

処理していない記憶が溜まり、

体は必死になってレム睡眠を欲するようになります。

 

その結果どうなるか?

恐ろしいことに起きている間も夢をみるようになる。

 

マグマのように溜まったレム睡眠が、

覚醒時にも吹き出してくるのです。

これがアルコール依存症によく見られる妄想や幻覚の正体です。

 

レム睡眠の機能の1つは

記憶の統合と関連づけ

です。

 

これは

抽象的なことを自分の頭の中で組み立てたり、

関連ある事実をつなぎ合わせて大きな全体を作ったりする

といった新しいことを習得するときに必要な機能です。

 

ということは、

何か新しいことを学んでいるとき、

資格試験などの試験前に勉強しているとき、

会社の大事な会議のプレゼンの準備をするとき

など、

大事な時にアルコールを摂って

レム睡眠が不足してしまうと…

 

勉強して覚えたことが記憶として定着しないことになります。

 

特に新しいことを学び始めた初日のレム睡眠には

複雑な知識を同化させる働きがあることがわかっています。

 

記憶を定着させるには学んだ日の夜の睡眠が鍵を握る

ということです。

 

ちなみに新しいことを学習するとき、

最初の日にアルコールを摂取すると、

その日に覚えたことの50%を忘れてしまう

という研究結果もあるぐらいです。

 

では、どうするのが正解なのか?

これはもう人それぞれだと思います。

 

ただこういった影響があることをわかった上で、

アルコールと付き合っていくのがベストではないでしょうか。

寝室の室温は寒いぐらいがいい!?

 

寝るときの室温って普段から気にしていますか?

身のまわりの温度、

特に自分の体や脳に近い場所の温度は

眠りとの関係でもっとも見過ごされている要素ではないかと思います。

 

これは寝つきの良さにも、眠りの質にも影響を与えます。

 

寝るときの体温は、

・部屋の室温

・着ているもの

・布団

この3つが温度を決めています。

この中でも特に昔と大きく変わったのが部屋の温度です。

 

部屋の中が暖かくなったことは、

現代人の睡眠に大きな影響を与えています。

 

眠りに入るには中核温(体の中心の体温)が1℃ほど下がる必要があります。

そのため、

暑すぎる部屋よりは、

寒すぎる部屋の方が寝つきがいい

 

寒すぎる部屋は、

脳と体の温度を下げて、

眠るのに最適の状態にしてくれるのです。

 

また日が暮れて気温が下がると、

それに伴って体温も下がります。

 

日が暮れて暗くなることだけでなく、

気温が下がることもメラトニンの分泌には必要な要素です。

 

夜の暗さと夜の寒さは

お互いに独立した要素ですが、

それが協力して

体内のメラトニンの分泌を促してくれるので、

人間は理想的な時間に

眠りに入ることができるのです。

 

人間の体は

ただ身のまわりの気温に

全てを任せているわけではなく、

皮膚の表面を活用することで

中核温をコントロールしています。

 

体温調節の仕事を担当しているのは、

手、足、そして頭

です。

 

これらの部位はどれも、

皮膚のすぐ下で血管が密集しています。

 

血液が皮膚の表面近くで広がり、

まわりの温度の影響を

受けやすくなっているため、

手、足、頭は極めて効率的な放熱装置

と言えます。

 

睡眠の直前になると、

盛大に放熱を行なって

中核温を下げる役割を果たしてくれるのです。

 

ここで一つ提案です。

 

寝つきが悪い方は、

寝る前に水(お湯でも構いません)で

顔を洗ってみましょう!

これは生理学的に見ても

とても理にかなった方法です。

 

手と顔を水で濡らすわけですが、

水で皮膚を濡らすと、蒸発する時に一緒に熱も逃げていき、

その結果中核温が下がるんです。

ぜひお試しください。

 

現代社会に暮らす私たちは、

自然の気温の変化とは切り離された生活を送っています。

室内の温度はエアコンで管理され、

眠る時は暖かい布団とパジャマがある。

 

つまり私たちは、

ほぼ一定した温度の環境で眠っている

ということです。

 

夜になっても明るいだけでなく室温も下がらないので

脳はメラトニンを放出するタイミングをつかめません。

体も衣類や室温で常に暖かい状態に保たれているので、

放熱がうまく行かず中核温が下がらない。。。

 

ではどうやって中核温を下げればいいのか?

 

それは室温を調節することです。

 

布団やパジャマが一般的なものであるなら、

ほとんどの人にとって

理想的な寝室の温度は18.3℃です。

 

寒すぎるのでは?

と感じる人も多いと思います。

もちろん体質や年齢、性別によって

個人差はありますが、

推奨される1日の摂取カロリーと

同じような意味合いで

大体の目標にする数字として

捉えてもらっていいと思います。

 

現代人のほとんどは、

気温が高すぎる環境で眠っています。

これも、

睡眠がうまくとれない原因になっている

と思われます。

 

確かに

寒ければいいというわけではなく、

12.5℃を下回ると

よほど暖かい布団やパジャマでないと

むしろ眠りに悪影響を与えます。

 

とは言え、

大抵の人が

室温20〜22度ほどの暑すぎる環境で眠っています。

 

これからは寝室の室温に注意して睡眠をとってみてください

入浴で寝つきが良くなる理由

 

最後にもう一つ、

中核温を下げる方法をお伝えします。

それは入浴です。

 

僕も施術時によくお話させていただくのですが、

副交感神経を優位にする

という意味でお勧めしています。

 

入浴はそれに加えて

中核温を下げる効果もあるんです。

 

温かいお湯に浸かると血流が表面に集まります。

皮膚が赤くなるのがその証拠です。

そしてお湯から出ると、

拡張した血管から急速に熱が放出され、

中核温が大幅に下がるのです。

 

体が温まるから寝つきが良くなる

というイメージを持っているかもしれませんが、

実は、体の芯が冷えることが寝つきが良くなる本当の理由です。

 

時間がない、という理由で

入浴ではなくシャワーで済ます方が多いですが、

疲れがとれない時や寝つきが悪い時には

入浴するようにしてみてください。

それだけでも、

睡眠の質が上がり翌朝のスッキリ感が全然違いますよ!

 

 

 

いかがでしたか?

今回の内容の中で

スマホや飲酒に関しては

「分かってはいるんだけど・・・」

という人がほとんどではないでしょうか。

 

ここで

皆さんに一つお聞きします。

 

「世の中で言われている健康があなたの健康ですか?」

 

世の中で言われている健康な状態になったとして

それがあなたがなりたい健康な状態ですか?

ということです。

 

自分が望む状態がどんな状態なのかを

自分で定義できていますか?

 

これが定義できていなければ、

そもそも健康を求めることはできません。

 

そして

テレビや雑誌、ネット上で

あれがいい、これがいい

と言われているものが

本当にいいのかが判断できません。

 

これを自分で判断できるようにならないといけないわけです。

 

極端に言えば

お酒が大好きで

美味しいお酒を飲むことに生きがいを感じている人が

「アルコールは体に良くない」

と言われお酒を無理にやめたとして、

それがその人にとっての健康なのか?

そしてそれで幸せなのか?

 

つまり

 

「自分の体のことは自分で決められるようになること」

 

これがただの自分勝手じゃなくて

幸福を増大させるというベースの上にある状態

 

この状態になっていただけるように、

僕はこうやって皆さんに情報を配信しています。

 

他の誰でもない自分の体のことですから

それを自分で決めていけるようになるのは

すごく大事なことだと思います。

 

「自分にとっての健康とは?」

まずはこの答えを自分で見つけてみてください。

 

施術をすること、

そしてこうやって情報を配信することで

そのお手伝いができたらと思っております。

 

コロナに負けない!

「人生100年時代の健康」を

本気で考える!

コロナウイルスの感染拡大により

私たちの日常の様々なものが

変化してきています。

 

当然、

健康の在り方も

これから大きく変わっていくでしょう。

 

そこで当院では、

しばらく続くであろう

「withコロナ」

そしてこれからの

「人生100年時代」

を見据えて

「日常の中で健康な体をつくる」

ための情報を

週に2回、患者さまへ配信しています。

 

ぜひご活用いただき

あなたの健康づくりにお役立てください!

 

・LINE  

・当院オンラインサロン(Facebookグループ)内

のいずれかでご覧いただけます。

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